自覚症状なしで迫りくる命の危険……「ぽっちゃり30代」が知るべき食事のコツ
2015/05/28(20:50)
■まだまだ若いと侮るなかれ
仕事にも慣れてきて、後輩が増えてくる30代。重要な仕事を任され始め、仕事にも張り合いが出てくる頃。しかしこの時期は、おなかもぽっこりし始める人が増えてきます。
「以前ほど運動してないからね」と言いたい気持ちは分かります。しかし、理由はそれだけではありません。年齢を重ねるごとに身体も変化しています。それなのに、食べるものや量はまったく以前と変わらない……だからこそ太ってしまうのです。
■その「肥満」が命の危険に至るまで
なぜ肥満がいけないのか、ここで再確認してみましょう。
太ると「脂肪細胞」の数が増えたり、大きくなったりすることで「体脂肪」が増えます。皮下脂肪が増えて体重が増えている間はまだ問題ありませんが、身体のすき間というすき間のすべて、すなわち内臓の周りにも脂肪が溜まりはじめるとこれが大問題。
この「内臓脂肪」によって臓器が圧迫され、各臓器のパフォーマンスが落ちてしまいます。それを示す指標が「メタボリックシンドローム」。メタボが悪化した状態が糖尿病、高血圧、脂質異常症に代表される生活習慣病であり、これを放置すると心筋梗塞、脳梗塞などの命の危険を脅かす疾病につながりやすいといわれています。
生活習慣病の段階まで自覚症状がないため、治療をせず放置しがちであり、そういう人はある日突然、心筋梗塞、脳梗塞で倒れてしまうというパターンが多いのです。仮に一命を取り留めたとしても、マヒ等の障害が残るなど、生活の質が格段に落ちてしまうことも多いです。
また、悪化して血糖値や血圧が上がりやすい体質になってしまうと、完全に治療することはできません。基本的にずっと薬を飲み続けることになります。つまり、予防や治療の開始を先送りすればするほど、時間もお金もかかるということです。そのため、できるだけ早めにケアをする、つまり肥満にならないように気をつけることが得策なのです。
■運動だけで体重を減らすのは難しい
「肥満」は簡単にいうと、体内でエネルギーの「in」が「out」を上回っている状態です。そこで肥満にならないようにする手段は2つ。inを減らすかoutを増やすかになります。言い換えればinを減らすとは「食事量を減らす」、outを増やすとは「活動量(運動)を増やす」ということです。
20代、30代は「運動すれば痩せるから」と太ることを気にしない人も多いです。もちろん筋肉量を増やし、基礎代謝を増やすという意味では運動は効果的です。しかし、多少運動量を増やしたところで、簡単に痩せることはできません。
例えば体重50kgの人が運動だけで100kcalを消費しようとしたら、散歩で約23分、ジョギングで約16分かかります。コンビニのおにぎり1個でも、160〜200kcal程度はありますので、これを散歩だけで消費するとしたら約37〜46分。「運動すれば痩せる」とはいっても、忙しい30代にとっては時間的にもなかなか厳しいのではないでしょうか。
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